花火のような火花
潰さなければならない時間があったこと
三島由紀夫賞の候補に選ばれたというニュースを見たこと
たまたま通りがかった本屋の前に陳列されていたということ
いろんな偶然が重なって、又吉さんの小説 「火花」を手にした。
さらりと読むような小説ではなく、細かい描写から背景を想像しながら読んでいくといった文章かな。
登場人物の突飛だけれどもウィットの効いたやりとりには思わず苦笑してしまう。
この表現好きだなと感じる箇所も幾つかあって、そのたびにその表現を何度も咀嚼したりもした。
不覚にも後半からは涙が頬をつたわった。それも、ニ粒、三粒も。
登場人物達が泣いているさまを見て 私も一緒になってもらい泣きしてしまったのだ。
でもな〜、
ラストのなんじゃこりゃな展開で、その涙は乾ききってしまったんだけどね。
それにしても、タイトルの火花。
私だったら 花火ってつけそうだけど、そうしないのが、なんだか良い。
追記
この3か月後、火花は芥川賞を受賞して一躍世の中の注目のもとになりました。
火花の素晴らしさが評価されたのはとても嬉しかったし、
私はもっと早くこの火花の良さに気付いてたんだよ!って誰かに自慢したくなりました。