存在のない子供たち
存在のない子供たち (2019.8 サロンシネマにて鑑賞)
レバノンの町で暮らす男の子 ゼイン 年齢は12歳くらい
彼は自分の誕生日を知らない。
学校にも行かせてもらえず、街中で物を売ったりして生計を支えている。
一緒に暮らすたくさんの兄弟も同じ境遇だ。
兄弟の中でも時に仲の良かった妹が11歳でむりやり嫁に出されてしまうところから物語が動き出す。
家出をして行き場を失ったゼインが出会ったのは 不法移民の女性とその赤ちゃん。
ゼインはその赤ちゃんの世話をすることになる。
この赤ちゃんがめちゃめちゃプリティ。演技?がうまいのか、監督の取り方が上手なのか。
もちろん ゼイン演じる男の子も観るものの心を動かすようなすごい存在感を持っている。するどい瞳の奥にはどこか物悲しさがあって。
そういえば、是枝監督の「誰も知らない」に出てきた主人公の少年(柳楽優弥さん)もあんな目してたっけ。
犯罪や違法行為が横行する日常。
日本ではありえないような現実が 世界のどこかでは起こっているんだと思うと、映画観ている間、ずーっと心が重たかったけど、
最後あの男の子が笑った瞬間、優しくて正義感あって行動力のあるあの子の未来がやっと開けたんだなって嬉しい気持ちでいっぱいになった。